空き家を放置すると固定資産税が最大6倍に?名古屋市の特定空家リスクを解説

空き家を放置すると固定資産税が最大6倍に?名古屋市の特定空家リスクを解説
相続した実家や、親が施設に入って空き家になった家。
「思い出もあるし、すぐに売るのは気が引ける」
「いつか使うかもしれないから、とりあえず残しておこう」
「遠方にあるから、なかなか見に行けない」
そんな気持ちから、空き家をそのままにしている方もいるのではないでしょうか。
「今すぐ売る必要はないと思っている」
「でも、管理するのも正直ちょっと大変……」
「空き家って持っているだけで税金が高くなるの?」
空き家は、誰も住んでいないからといって、すぐに大きな問題になるわけではありません。
ただし、「何もしないまま長期間放置する」という状態には注意が必要です。
特に2023年の法改正によって、放置すれば「特定空家」になるおそれのある空き家を対象に「管理不全空家」という区分が設けられました。
そして、一定の状態で勧告を受けると、これまで適用されていた住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が大きくなる可能性があります。
なぜ住宅用地の特例があるのか、どんな状態になると対象外になるのか、そして空き家を今後どうするのか。順番に整理していきましょう。
まず今の家の価値を知る
「持ち続ける」「売る」「活用する」。判断するためにも、現在の不動産価値を知っておくと考えやすくなります。
名古屋の空き家について相談する →なぜ「家が建っている土地」は固定資産税が安いの?
まず知っておきたいのが、住宅が建っている土地に適用される「住宅用地の特例」です。
住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地について、固定資産税の負担を軽減する仕組みです。
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分について、評価額の6分の1まで軽減される仕組み |
|---|---|
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分について、評価額の3分の1まで軽減される仕組み |
つまり、住宅が建っている土地は、この特例によって固定資産税が比較的抑えられています。
ところが、空き家の状態が悪化して一定の条件に該当すると、この軽減が受けられなくなる可能性があります。
「管理不全空家」に指定されると何が変わる?
ここが、空き家を持っている方にとって特に知っておきたいところです。
2023年12月の法改正によって、放置すれば「特定空家」になるおそれがある空き家について、「管理不全空家」という区分が設けられました。
市区町村から一定の対応を求められ、それでも改善されず、勧告を受けるなど一定の条件に該当すると、住宅用地の特例から除外される可能性があります。
住宅用地の特例が外れると、これまで軽減されていた部分がなくなるため、固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。
元原稿では、小規模住宅用地について最大で従来の6倍程度、一般住宅用地については3倍程度まで上がる可能性があるとしています。
実際の固定資産税額は、土地の評価額や物件の状況、自治体の運用などによって変わります。正確な影響額は、物件所在地の市区町村窓口へ確認してください。
「特定空家」と「管理不全空家」は何が違う?
似た言葉なので混同しやすいですが、記事を読むうえでは大まかな違いを押さえておけば十分です。
| 管理不全空家 | 放置すれば特定空家になるおそれがあるなど、管理が不十分な状態の空き家。 |
|---|---|
| 特定空家 | 放置によって周囲への影響などが問題となる状態の空き家。 |
| 税金への影響 | 一定の場合に勧告を受けると、住宅用地の特例が適用されなくなる可能性があります。 |
つまり、「誰も住んでいない=すぐに特定空家」ということではありません。
問題になるのは、空き家を長期間放置して、管理されていない状態が続いてしまうことです。
空き家を放置すると、税金以外にも負担がある
固定資産税の話が目立ちますが、空き家を持ち続ける場合に考えたいのは税金だけではありません。
- 固定資産税・都市計画税などの負担
- 定期的な換気や清掃
- 庭木や雑草の手入れ
- 建物の状態確認
- 遠方に住んでいる場合の移動負担
- 管理を依頼する場合の費用
特に名古屋市内に実家があるものの、自分は別の地域に住んでいるという場合、空き家の管理だけのために定期的に戻るのは簡単ではありません。
「まだ売らなくてもいい」と思っている場合でも、管理を続ける負担まで含めて考えることが大切です。
勧告を受ける前にできる4つのこと
空き家を所有しているからといって、必ず売却しなければいけないわけではありません。
大切なのは、今の状態と今後の予定を考えて、自分に合った方法を選ぶことです。
① 適切に管理する
今後も所有する予定があるなら、まずは空き家を適切に管理することです。
換気、清掃、庭木の手入れなど、建物や敷地の状態を確認しておきましょう。
自分で管理するのが難しい場合は、管理サービスなどを利用する方法もあります。
② 売却する
今後住む予定もなく、活用する予定もないのであれば、売却を検討する方法があります。
売却すれば、空き家の管理や固定資産税などを今後も負担し続ける必要がなくなります。
もちろん、「思い出があるから簡単には手放せない」という気持ちもあるでしょう。
だからこそ、いきなり売却を決めるのではなく、「今売ったらいくらになるのか」を知るだけでも一つの判断材料になります。
③ 賃貸に出す
立地や建物の状態などによっては、賃貸として活用する方法もあります。
ただし、すべての空き家が賃貸に向いているわけではありません。
修繕費や管理の手間、周辺の賃貸需要なども含めて考える必要があります。
④ 解体する
建物の状態が悪く、そのまま維持することが難しい場合には、解体という選択肢もあります。
ただし、ここで注意したいのが「更地にすれば固定資産税が安くなる」とは限らないことです。
建物を解体すると住宅用地の特例そのものが適用されなくなるため、固定資産税が上がるケースがあります。
「持ち続ける」と「手放す」どちらを選ぶ?
空き家をどうするか迷ったときは、「売るか・売らないか」の二択だけで考えないほうが整理しやすくなります。
- 定期的な管理が必要
- 固定資産税などを負担する
- 将来使う予定があるか考える
- 管理サービスの利用も検討する
- 売却価格を確認する
- 売却にかかる期間を考える
- 家財の片付けなどを進める
- 必要な制度や期限を確認する
「売る・持つ」のどちらが正解ということではありません。
家族の思い、今後使う予定、管理できるかどうか、税金や維持費などを一つずつ考えていくことが大切です。
売却を考えるなら、まず「今の価値」を知っておく
空き家を売るか迷っているときに、いきなり「売る」と決断する必要はありません。
むしろ最初に知っておきたいのは、「この家は今どのくらいの価値があるのか」ということです。
現在の市場でどの程度の価格になりそうかを把握します。
固定資産税、管理、修繕など今後かかる負担を考えます。
売却・賃貸・保有・解体などの選択肢を比較します。
ここまで整理すると、「なんとなく放置している状態」から一歩進んで、具体的な選択肢を考えられるようになります。
まずは価値を知る
売るかどうかを決める前に、現在の価格を知っておくと、持ち続ける場合との比較もしやすくなります。
空き家の売却は「価格」だけでなく、タイミングも考える
空き家を売却するとき、「できるだけ高く売りたい」と考えるのは当然です。
ただ、空き家の場合は時間が経つことで建物の状態が変わり、管理の負担も続きます。
そのため、「いつか売ろう」と思いながら何年もそのままにしておくより、一度現在の価格と今後の負担を比較してみることが大切です。
- 現在の売却価格
- 固定資産税・都市計画税
- 年間の管理費用
- 今後修繕が必要になりそうか
- 今後その家を使う予定があるか
- 家族が将来その家を必要とするか
- 売却前に家財整理が必要か
そんな段階から相談できます
空き家は、売ると決めてから相談する必要はありません。今の価値や管理の負担を整理してから、今後どうするか考える方法もあります。
✓ 空き家のまま持ち続けていいのか分からない
✓ 今の家がいくらくらいなのか知りたい
✓ 売るのと持ち続けるのを比較したい
✓ 家財を片付ける前に相談したい
✓ 住み替えや相続も含めて考えたい
空き家を放置する前に、家族で話しておきたいこと
実家や相続した家の場合、所有者一人だけで決めるのが難しいケースもあります。
特に「思い出があるから残したい」という人と、「管理できないなら売ったほうがいい」という人で意見が分かれることもあります。
- 誰が今後管理するのか
- 今後その家を使う予定があるのか
- 固定資産税などを誰が負担するのか
- 修繕や解体が必要になったらどうするのか
- 売却する場合はいつ頃までに決めるのか
「とりあえず今はそのまま」という結論でも構いません。
ただ、その場合でも誰が管理するのかだけは決めておくと、後になって困りにくくなります。
よくある質問
- 実家が「特定空家」に指定されているかどうかは、どこで分かりますか?
- 市区町村から勧告や通知が届く場合があります。心当たりがない場合でも、心配であれば物件所在地の市区町村の空き家対策担当窓口へ確認できます。
- 空き家になっただけで固定資産税が6倍になるのですか?
- 空き家になっただけで一律に6倍になるわけではありません。住宅用地の特例が適用されている土地について、一定の状態となり、勧告を受けるなどの条件に該当した場合、特例から除外される可能性があります。実際の税額については自治体へ確認してください。
- 管理不全空家に指定されたら、すぐに固定資産税が上がりますか?
- 元原稿では、管理不全空家について、市区町村長から勧告を受けると住宅用地の特例から除外される仕組みとして説明されています。具体的な判断や手続きについては、物件所在地の自治体へ確認してください。
- 更地にすれば固定資産税は安くなりますか?
- 必ずしも安くなるわけではありません。建物を解体すると住宅用地の特例そのものが適用されなくなるため、固定資産税が上がるケースがあります。解体する前に、税額への影響を確認しておきましょう。
- 空き家を売るかどうか迷っています。査定だけでもできますか?
- 査定をして現在の価格を把握することは、売却するかどうかを考えるための材料になります。「まだ売ると決めていない」という段階で価格を知っておく方法もあります。
- 空き家バンクなど自治体の制度は利用できますか?
- 自治体によっては、空き家バンクへの登録や改修費補助など、空き家の活用を支援する制度を用意している場合があります。物件所在地の自治体の制度を確認してみましょう。
- 住宅が建っている土地には住宅用地の特例がある
- 小規模住宅用地は評価額の6分の1まで軽減される仕組みがある
- 管理不全空家について一定の場合に勧告を受けると特例から除外される可能性がある
- 特例が外れると固定資産税の負担が大きく増える可能性がある
- 実際の増税額は物件や自治体によって異なるため確認が必要
- 空き家は管理・売却・賃貸・解体などの選択肢を比較できる
- 売るか迷っている場合でも、まず現在の不動産価値を知る方法がある
一度整理してみませんか?
売却するか、持ち続けるか、活用するか。まず現在の価値と今後の負担を知ることで、考えやすくなります。
Izumi不動産に空き家を相談する →空き家を相続したり、実家が空き家になったりすると、「いつか何とかしないと」と思いながらも、何から手をつければいいのか分からなくなることがあります。
思い出のある家なら、なおさら「すぐ売る」という決断は簡単ではありません。
だからこそ、最初から売却を決めるのではなく、まずは今の家にどのくらいの価値があるのか、持ち続けるとどんな負担があるのかを整理してみるのがおすすめです。
そのうえで、管理するのか、売却するのか、賃貸などで活用するのか、解体するのかを家族で考えていけばいいでしょう。
「まだ売るつもりはないけど、価格だけ知りたい」。
そんな相談から始めるのも一つの方法です。
※本記事の制度・税率に関する内容は、2026年9月時点で確認できた一般的な情報をもとにしています。固定資産税の増加幅や空き家に関する判断・手続きは、自治体の運用や個別の物件状況によって異なる場合があります。正確な情報は物件所在地の市区町村などへご確認ください。
※本記事では「最大6倍」という表現を使用していますが、実際の固定資産税が一律に6倍になるわけではありません。住宅用地の特例が適用されなくなった場合の影響は、土地の評価額などによって異なります。

